北緯40度線探検隊 坂本正治 2
北緯40度線探検隊 第三章 鉄の鳥 イーハトーヴォを飛ぶ
読み進めるのが楽しみな本が手元にあるということはいいことだ。
北緯40度線探検隊はそんな僕の究極の楽しみと化している。
僕の脳が「読もう読もう。楽しみだ。」と催促している久しぶりの本だが、
そんな本の場合は、少しずつ楽しみながら読んでいる。「急がないことが楽しみを持続させる」のが僕の哲学の処方箋だ。
卒業後も本の虫だった僕でも、寄る年波には勝てず、両眼の白内障手術の後は、作り直した中近の眼鏡でも焦点が合わずに、読書をすることがめっきり少なくなった。
読むのが苦痛に近くなってきた。
毎日読む新聞も、以前は一字一句理解して読み、1時間ほどかかって読んでいたが、今では気が付くとなぜか飛ばし読みしていて、読んだ内容も上の空だ。そろそろ脳が受け付けなくなってきたのか?
本はコンピューターのバックライトに照らされた画面とは違い、暗いぼけた象形文字のようにも見える。
バックライトのある電子書籍ガジェットを買おうかとも思うのだが、ページをめくるときの楽しみはなくなってしまうし、何よりも一つの枠にはまった中で、異なる大きさの本をひとまとめにしてしまうという思想にはとても賛成できない。
そんなわけで、北緯40度線探検隊もやっと第三章を読み進める段階だ。
先日、第一章を読み終えた後は、AppleTV+でOOOOを一気見した。月面着陸でソ連に先を越されたNASAアメリカが、その後も競争を続けて、全面核戦争一歩手前まで行くという全話30話で、
AmazonプライムTVの「高い城の男」(これはアメリカがドイツ日本の枢軸側に敗れて、西海岸は帝国日本、東海岸はナチスドイツに占領されている時を描いたSF小説をもとにしたTVシリーズ。これも面白かった)と似た、覇権国家アメリカらしい発想のTVムービーを一気に楽しんだ。
さて、第二、第三章では北緯40度線クラブの誕生いきさつと、40度線への出発が語られている。
第三章の表題の 「鉄の鳥イーハトーヴォを飛ぶ」のイーハトーヴォでまずつまずいた。
「鉄の鳥」これはオートバイに決まっている。頭の中で鉄の鳥とイーハートーヴォを結びつけてしまつた。
イーハトーヴォとは?
早速、ネットで検索。今は便利な時代になったものだ。以前は百科事典、国語辞典などを開いて調べるのに時間がかかったものだが・・。
今はほとんど瞬時に語源・意味がわかる。
ああ、宮沢賢治のイーハトーブ、心象世界の理想郷のことか!
同じようわからなかった語句は三章文中にもあった。
「ケルピュロスの吠える夜。これもわからない。どこか記憶の中にあるが・・・。
ケルピュロス?
これも調べる。「ケルピュロス」では出てこない。「ケルピュロスとは?」で再検索すると、「ケルベロス」が出てきた。
ああ、ケルベロスだ。冥界の番人、頭が3つある犬のことだ。
時と共に呼び方も変わるのか?
そういえば、北緯40度線探検隊とは関係ないが、スマホ記事の中に習近平もシー・チンピンと書いてあった。
韓国人の名前でもあるまいし、相手国が自国語読みを強制してこないのに変える必要はないと思う。
相手は漢字国だし、カタカナでは四声を表記できないので、カタカナで当てて発音しても中国人にはまず伝わらない。
何の役にも立たない。
何時、どこでこのようなことが始まったのかを調べてみたら、
やはり、朝日新聞が発祥だった。
困ったことだ。
本を読むとわからないことにぶつかり、ネットで検索して、また知識が増える。
北緯40度線探検隊を読みすすめて、徐々にわかってきたのは、車を興味や愛情の対象としのない人は、読み進めるのにかなり苦労するだろうということ。
文章も小説と違ってかなり読みずらい。
ここかしこに出てくる軍事知識でわかるのは、坂本正治は、僕と同じように大戦中のドイツのメカズムに興味のある人、おそらく中田商店にも通ったマニアだったこと。登場人物の一人はゼロ戦パイロットの手袋をまとっているという。僕も欲しい。
つい1週間ほど前、ヤフオクで太平洋で見つかった零式戦闘機の胴体後部外皮のパネルが出ていた。
落札価格は206,000円で、欲しくても手が出なかった。
ミリタリーマニア文は随所に出てくる。
多分、古にCarグラフィックで夢中になって読んだ時にも、自分になぞらえて共感を持ったのだろうということが、いまさらながら分かってきた。
さらに、よみすすめる。